ノート

教師というのは見返りを求めてはいけない職業だと思う。

どれだけの思いを持っていても、与えたものがあっても、自分個人に返ってくることを期待してはいけない。

これはなかなか難しいことで、裏切られたような気持ちになることもしばしばである。

だけどその一方で、生徒たちの言葉や態度に救われることもあるのだ。

彼らはやさしい。

3年生の最後に集めたノートのいくつかには、わたしに宛てた言葉があって、そのひとつひとつにとても温かな気持ちにさせられた。

とくにうれしかったのは

「小学校でもなく中学校でもなく高校で、しかもこの学校で先生と出会えてよかった」

という言葉。

これはわたしにとっては最高の褒め言葉だ。

小学校でもなく中学校でもなく高校の先生になりたかったから。

こんな言葉を贈ってもらえて本当に幸せ。

明日は卒業式。

精一杯の気持ちで見送ろう。

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今年も歌ってしまった

今年の文化祭ではエヴァを歌った。

「残酷な天使のテーゼ」。

場所とか時間とか人の関係で、今年は教員バンドはやらないつもりだった。

だけど、吹奏楽部の生徒たちに頼まれて歌うことになった。

結果、なかなか好評だったし、ブラスに合わせて歌うなんて経験はそうそうできるものではないので、とても楽しかった。

エヴァは本当に好きなアニメだ。

語り出したら止まらないけど、簡単に言うと「君は君でいいんだよ」と、他の人と違う自分を認めてもらっているような気がして勇気づけられる。

自分と違う人間がいるから世の中おもしろいんじゃないかって、他人に優しくなれる気もする。

これは最終回を観てそう思ったわけで、放送された当時は「は??」という感じだったけど、わたしはあの最終回が結構好きだ。

文化祭が終わってから本当にたくさんの生徒に声をかけられて、エヴァを知っている子が多いことに驚いた。

まあ、劇場公開されてはいるけど、テレビ放映していたのがわたしが大学生のころだからもう10年ぐらい前のことだ。

やっぱりすごい作品だったんだなぁ。

これを機会にまた改めて観てみたいなぁなんて思った。

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いちばんの癒し

今年は生徒指導部に身を置いている。

生徒指導部といえば、どうしても生徒から敬遠されてしまうものだ。

昨年までは担任をしていて、お互いよく知っている間柄でのやりとりが多く、以心伝心とまではいかなくとも互いに気持ちを汲み取る努力をしていたように思う。

でも、全校生徒を相手にするこの分掌はそういう意味での甘えが許されない。

だから4月のはじめから「しっかりしなくちゃ」と自分に言い聞かせてきた。

ただ、こう見えても人見知りするわたしは(誰も信じちゃくれないが)、今年初めてもつ2年生の授業に行くときはやっぱり緊張していたんだと思う。

昨年から持ち上がった3年生の現代文の授業に行ったとき、とてもほっとしたのだ。

だから生徒たちに、

「君たちはわたしの癒しなのだから、癒しらしく振る舞ってくれたまへ」

と冗談交じりに言った。

それは、「生徒指導上の問題を起こすんじゃないよ」ということを言いたかったのだけど、その日からわたしのまわりではおもしろい現象が起こっている。

3年生の何人かの生徒が、校内ですれ違うときに手を振ってくれる。

「わたしらは“癒し”やからな!」

と言って、すれ違うたびに笑顔を向けてくれる。

なんとやさしい人たちなのでしょう。

1年生や2年生ともこんな関係が築けたらいいなぁ。

まだまだ始まったばかり。

努力あるのみ!!

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卒業式

今日は卒業式。

わたしにとっては、担任として初めて送り出す卒業生たちだ。

本当にいい卒業式で、とてもステキなプレゼントをもらった気分になった。

短いけれど、型にはまらない、うちの学校らしさがたくさんつまった式だった。

とくに答辞はすばらしく、両学科の総代が交代に読み上げることばのひとつひとつが体に染み込んでいく感じだった。

担任の名前を読み上げ「ありがとうございました」と言われたときは、それまで我慢していた涙がついこぼれてしまった。

閉式の辞のあとは、卒業生による合唱があった。

曲は「未来へ」。

これは生徒たちがやりたいと言い出したことで、職員会議にあげる資料から、練習、校則遵守の呼びかけ、著作権の確認にいたるまで、すべて生徒にまかせるということで始めたことだった。

昨日の予行まであえて練習にも顔を出さないようにしていたので、実際聞いてみてびっくりした。

特に今日の本番では、みんなの声が集まって、一つの思いになって、どーっと押し寄せる感じがした。

やっぱり高校生はステキだなあ。

三年間でこんなに成長し、大人になるんだから。

高校の教員になってよかった。

打ち上げでは花束と色紙をもらいました。

花束は結婚式のブーケをイメージしたものだそうな(笑)

ドライフラワーにできるバラとかすみ草の花束で、一生大切にしろってことらしいです。

ボランティア部の生徒からも色紙をもらった。

三年間、かなり厳しく接したこともあったのによくついてきてくれました。

いい子ばっかり。

ああ、本当にいい一日、いい三年間でした。

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読み間違い ~夏目漱石「こころ」~

この間、ようやく夏目漱石の「こころ」の授業が終わった。

長かった…

教科書に載っているのは「先生と遺書」の一部で、Kの自殺を「私」が発見し、Kの遺書に自分を責めるような言葉がなかったことに「私」がほっとしたところで終わる。

人間のエゴイズムがリアルに描かれ、取り返しのつかない自殺で終わるこの単元は、授業をしている教室の空気もどんどん重くなってくる。

変に入り過ぎないように、余談も交えながらなるべく表現に注目して授業をしようと心がけていた。

先日、あるクラスでいよいよクライマックスというところを生徒に読んでもらった。

最後の文、

「そうして振り返って、襖にほとばしっている血潮をはじめて見たのです。」

というところを、その生徒は

「そうして振り返って、襖にほとばしっている血のりをはじめて見たのです。」

と読んでしまったのである。

そのときは誰もつっこみを入れなかったのだけど、次の授業のときクラスの中で思い出し爆笑が起こった。

言いだしたのは間違えた本人。

「『血のり』って、K、死んでないんやん!」

「めっちゃシリアスな場面やのに、空気ぶちこわしや!」

「奥さんもおじょうさんもひっくり返るで。」

「K、めっちゃ軽っ!」

「生き方変えたんちゃう?」

などなど。

確かに、「血のり」って (笑

わたしも一緒になってつっこみたかったけど、まあそこは先生ですから、抑えて抑えて。

いい雰囲気の中、しかし冗談だけで終わらないのがこのクラスのいいところで。

「血がほとばしっとるってことは、Kは刃物か何かで自殺したん?」

とか、

「襖って、二尺開いとった襖のほう? でもそれやったら『私』は気づくから、違うほうの襖か。」

とか。

文章をしっかり読んで、その表現から場面を浮かび上がらせようとしている姿が見られた。

文学ってこういうものだと思う。

読書は一人でするのも良いけど、みんなで読み込んでいくのも楽しいものだ。

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ボランティア体験発表会

今日はボランティア体験発表会だった。

今年はうちの学校が事務局になっているので、準備から司会進行までを担当することになっていた。

しかし、現在うちのボランティア部員は3年生のみ。

本来ならば引退している彼女たちにお願いして、この時期まで手伝ってもらった。

部員以外の生徒にも助けてもらって、なんとか無事終えることができた。

さて、そういうわけで今年はうちからは発表者はいなかったのだけど、だからこそじっくり発表を聞けたような気がする。

30名近くいる発表者のスピーチを聞いていて気づいたのは、ボランティアをやっている高校生たちの多くが、一度は嫌な思いをしていることだった。

募金活動をしている際に嘲笑されたり、暴言を吐かれたりするというのがほとんどである。

どうしてそんなことができるのだろう?

制服を着ることで身分を明らかにし、一生懸命声を出して活動している高校生たちに対してそんな態度がとれることのほうが不思議だ。

しかし、今日発表した高校生たちは強かった。

その経験をバネにし、自分に不十分な点があれば改め、他人にどう思われるかではなく、本来の目的は何なのかをしっかり頭において活動していこうという決意を語ってくれた。

こういう想いに触れられるから、先生はやめられない。

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バレンタイン事情

今日はハッピーバレンタインデー。

最近は専らもらうほうだ。

しかも今年は3年生の担任。

自宅学習に入り暇をもてあましている(?)生徒たちが、おそらく昨日一日かけて作ったのだろう。

登校日である今日、たくさんの生徒がチョコレートのプレゼントをくれた。

2年生や、同僚からもらった分を合わせるとなんと20個にもなりましたよ(^^;)

「はい」と言って照れながら渡してくる生徒。(こっちが照れちゃうよ)

「先生、ちゃんと食べなきゃダメだよ」と説教しながらくれる生徒。(苦笑い)

「この間は話を聞いてくれてありがとう」と律儀にお礼を述べながらプレゼントしてくれた生徒。(いえいえそんな)

バレンタインデーのあり方が年々変わってきてるよなぁ。

特に高校生の間では女友達同士の行事になっているんじゃなかろうか。

うちの学校みたいに女子が多いとよけいそう感じるのかもしれないけど。

3年生に関してはホワイトデーまで待っていられないので、次の登校日までにどんなお返しをするか考えなくてはね。

何かいいお菓子があるかしら??

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ファッションショー

今日は卒業制作ファッションショーだった。

今年で4回目となる。

生徒に頼まれて第1回からナレーションを担当しているのだけど、私は家庭科の教員ではないので少し距離をおいてファッションショーを眺めてきた。

そんな私から見ても年々進化しているなぁと思う。

うちの生徒の発表は完全に制作者とモデルが分かれていて、制作者は自分の作品のイメージに合うモデルを学校の中で探して(全く話したことのない子にいきなり声をかけたりするのだ!)、その人に合わせて服を作っていく。

人に着せるための服だ。

モデルは、だからその服をよりよく見せようと努力する。

自分の作品でないのだから責任重大である。

このへんがショーのおもしろさにつながっているんだろう。

ショーを見た2年生たちの表情がきりりと引き締まったように見えたのは、気のせいばかりではないと思う。

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別の顔

土曜日の午前中は卒展を見に行った。

自分が担任している学年なので、感慨もひとしおだった。

想いを形にできるというのは本当にすごいことだと思う。

午後は来週行われるファッションショーのリハーサル。

今年もナレーションを担当することになったのだ。

この日はプロのモデルさんに来ていただいて、生徒たちのウォーキングの指導をしてもらった。

そのモデルさんの立ち姿の美しいこと!

ただ立っているだけで、その姿に目は釘付け。

歩くとなると、もう、ため息まで出てしまう。

わたしたちは正面からの視線に気をとられがちだけど、視線は横からも後ろからもあるわけで、それを意識することを忘れないように、という指導もあった。

う~ん、実生活でも気をつけよう。

さて、学校から一歩出たこういう場所での生徒たちを見るのはとても楽しい。

ふだんとは違った顔が見られるからだ。

しかも、いつになく近寄ってきて、親しげに話をしてくれたりする。

かわいいねぇ。

来週の本番が楽しみv

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欠席、遅刻、早退

うちのクラスは欠席、遅刻、早退が多い。

1年のころから多い学年で、でも3年生にもなったら少しはなくなるだろうと思っていた。

しかしその考えは甘く、いまだ校内トップをいくほどの欠席、遅刻率である。

昨日は雨が降っていたせいもあって、朝のSHRに言ったら半分ぐらいがいなかった。

1、2分遅れてぞろぞろ入ってきたのだけど、怒るよりも悲しくなってきて6時間目のLHRのときに生徒たちに聞いてみた。

「もう、降参。わかんない。ちょっとぐらい欠席、遅刻しても大したことないって思っているのか、だめだとわかっているけどどうしようもないのか。わたしは自分自身高校の頃ほとんど遅刻、欠席したことないから、正直そういう人の気持ちがわからない。だから今日はみんながどういうふうに考えているのか教えてほしい。」

そう言って、アンケート形式のプリントを配っていろいろな意見を書いてもらった。

その中には「3-3独自のペナルティを作る」「自分たちの意識を変えるしかない」「個人の問題」という意見が多かったように思う。

ペナルティは好きではないので、それ以外でなんとかならないかなぁと考えている。

「学校が楽しいと思えるようにする」という意見がいくつかあって、わたしができるのはそこだろうなと思っている。

いろんな人に相談している中で、担任が元気なかったらたぶん生徒たちにもやる気は起こらないだろうから、オーラを発するつもりでがんばろうと決意した。

最近ずっと、朝のHRではパワーが吸い取られてしまっているような気がしていたのだけど、そうではなくて「パワーを送り込んでるんだ!!」というぐらいの気持ちでいかなくちゃいけないと思った。

「そんな、生徒に吸い取られて枯渇してしまうような心ではないでしょう。何年も何年も積み上げてきたものなんだから」

昨日話していた先生の一言。

そうだ、わたしだってまんざらでもないんだよ。

昨日のLHRで一人一人に何か思うところがあったのか、今日の欠席は1人(連絡あり)、遅刻ゼロだった。

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文化祭

文化祭が終わった。

3年生担任ということでクラスのほうは生徒に任せても何も心配なかった。

やっぱり3年という年月はすごいなぁ。

ボランティア部は、今年は日赤の職員の方に来ていただいて赤十字の紹介をした。

来てくれた生徒たちはしみじみ「良かった」と言ってくれた。

来場者には愛地球博の赤十字赤新月パビリオンのまねをしてメッセージを書いてもらった。

「手を取りあって、支えあって、愛しあって、こんな平和な世界で生きたい」

「自分の幸せ、他人の幸せって何やろうって、改めて考えるいい機会になりました。現実を見て、次につなげて行かなければならない。戦争がなくなってほしい!!」

「自分にできることはちっぽけなことかもしれないけど、そんな小さなことでもやっていけたら、と思いました。何気なく過ごしている当たり前の時間を大切にしていきたいです。ボランティア部の方々ありがとうでした!」

ボランティア部はメンバーが少なくて大変だったけど、こういうコメントをもらうことができて部員も喜んでいた。

部員以外の生徒もたくさん手伝ってくれて、生徒たちの温かさを感じられたのも良かった。

9月になってから急に決まった教員と生徒会のコラボバンドは、メンバーの努力で大成功をおさめた。

短い時間の中で音作りをしていくのがとてもおもしろかった。

実際、音は変わってくるし、それを実感して生徒の顔が楽しそうになっていくのもおもしろかった。

少なくとも一緒にバンドをやった彼らには何かが残ったと思う。

楽しかったけど、疲れた。

明日は教研だ…

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押さえどころ

昨日の授業中

「はーい、では今日は第一段落から見ていきますね~」

なんて言いながら板書しようと黒板を振り返ったら、そこに蜂がとまっていた。

あまりに思いがけなかったもんだから思わず「ぎゃー!」と叫んで飛びのいてしまった。

生徒たちは何事かと一斉に顔を上げてこちらを見ていた。

「ご、ごめん。いきなりだったし、節足動物ってやつは苦手で…」

とにかく気持ちを落ち着けねばと、ひとり暮らしをして初めてゴキブリに遭遇したときの話なんかをした。

「それまでは家族の誰かが退治してくれたんだけど、ひとり暮らしだとそうもいかないんだよね。放っておいて、夜寝ている間に口の中に入ってきたらなんて想像しちゃうともう…」

生徒は「先生にもそんなところあるんやぁ」ととても喜んでいた。

いつもわりとキツイ感じのわたしが、慌てふためき弱いところを見せているのがおもしろかったらしい。

次の時間は隣のクラスの授業で、前の時間に騒いでいたことのお詫びをしつつ

「ゴキブリを叩いて殺すなんていうのは、わたしには無理。だって潰れて変な汁とか出てきたら、それを掃除するのもわたしなんだよ。だからゴキブリが出たら『あんた、ちょっとそこで待っとんなよ』って独り言言いながら殺虫剤とってきて、それで一気にやっつけるの。でも、そのゴキブリを片付けるのも大変。だってほうき使ったら、そのほうきどうすんのよ。死んだゴキブリに触ったほうきを部屋に置いておくなんてできない! だから新聞紙とか丸めて棒みたいにして、それでなんとか片付けるんだよね」

(生徒がおもしろそうに聞いているので、調子に乗って授業とは関係ない話を続けてしまう。)

「いやぁ、ゴキブリも確かに苦手なんだけど、実はいちばん苦手なのは雷なんです。小学校一年生のときの担任の先生が、めちゃくちゃ恐い話を聞かせてくれて。先生の知っている人が、天気の悪い日に川の横を傘さして自転車で通っていたらそこに雷が落ちて、その人は真っ二つになって川に流されてしまったという恐ろしい話。たぶん、先生は雷の恐さを教えようと思って大げさに言ったんだろうけど、それを聞いたわたしの頭の中では妄想が膨らんじゃって、真っ二つになった人のイメージとか、流されてその後どうなったんだろうとかそんなことばかり考えてさ。我ながら、小学校一年生にしてすごい想像力だったと思うよ。それで気付いたら雷が嫌いになってたんだよね」

なんていう話をしていた。

すると、生徒の一人が

「先生かわいいなぁ。押さえるとこ押さえとるわぁ」

と言った。

つまり、かわいい女の条件を押さえているということらしい。

そうなんですか?

かわいいというより情けないんですが、わたくし。

「計算してるか、いないかが問題だよねぇ」

これは、授業のあとこの話をしたときの同僚のお言葉。

おぉ、なんかちょっと怖いことを聞いた気がする…

昨日は散々からかわれて恥ずかしかったけど(放課後まで)、素のわたしを見て喜んでいる生徒を見ていたら、まぁたまにはいいかなんて思ったりした。

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「おめでとう」のことば

くどいようですが、昨日は誕生日でたくさんの人にお祝いのことばをいただきました。

「おめでとう」のことばがこんなにうれしいと感じたのは初めてかもしれない。

年かな…?

あらかじめ宣伝しておいたのもあるけど(おい。。。)、何人もの生徒から「おめでとう」を言ってもらえたのはとくにうれしかった(毎年一学期に宣伝しても夏休みの間に忘れられてしまうのを、今年は3年生が夏休み登校する機会がたくさんあったので、事あるごとにそれとなく吹き込んでおいたのである…)。

ある生徒は放課後みんなと話している輪をぬけて、教卓の書類を整理しているわたしのところにとことことやってきて「先生、誕生日おめでとう」と言ってくれた。

なにかのついでだろうと思って、そのあとのことばを待ったのだけど何も言わない。

「え、わざわざそれ言いにきてくれたの?」

と聞くと、

「うん、朝から言おうと思ってたけどタイミング合わなくて」

と彼女は言った。

打算やらなんやら、そういったものををまったくうかがうことのできない表情を見て、こっちが一瞬きょとんとしてしまった。

「うれしい、ありがとう」

と素直に返事ができたけど、今思うとあのときわたしの頭はちょっとパニックを起こしていた気がする。

なんだかすごく恥ずかしくなってしまったのだ。

ひとつは、何にも覆われていない純粋な気持ちに触れてしまったような気がしたから。

もうひとつは、自分はこんなふうになれないと思ったから。

高校生に教えられるのはこういうところだ。

ちゃんとしなくちゃ、わたし!

生徒だけではなく、お友達にもお祝いのことばをもらった。

共通点は三十路の一歩を祝福することば(笑

それにしても、みんなよく他人の誕生日を覚えている。

告白してしまうと、わたしは数字が苦手で、だいたいこの月の上旬、とか中旬とかいった具合にしか覚えていないものだから、それも恥ずかしくなっちゃう。

こんなわたしを見捨てないで、みなさま。

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物を作って、その売上げを寄付し、人の役に立ちたいという生徒がいた。

これはボランティアなのか、仕事なのか、と思いつめた様子で相談された。

その生徒は、自分の気持ちをうまく表現できないようで、正直、彼女の中にどんな葛藤があるのかわからなかった。

創作活動をして、それで稼いだ金を自分のものにするのが汚いことのように思ったのだろうか?

尋ねてみたが、そういうわけではないとその生徒は首を振った。

人のために何かをしたいという気持ちの上に、ある仕事をして、その一部でも自分の生活の足しにすることにためらいがあったのかもしれない。

だからこう言ってやった。

「よく混同している人がいるんだけど、福祉とボランティアは違うんだよね。よく、ボランティアで老人ホームを訪問することなんかがあるけど、じゃあ、老人ホームで働いている人達はボランティア?」

彼女は首を振る。

「うん、あの人達は仕事で人のお世話をしている。人の役に立つことをしてお金をもらって生活をしている。それは全然わるいことじゃない。保育士だって、医者だって、音楽をやっている人だってそう。世の中にあるどんな仕事も、人の役に立っているんじゃないかな。

誰だって、生活をしていかなきゃならない。自分がつぶれちゃったら、人の役に立てなくなるんだから。そのためにお金を稼ぐことは全然わるいことじゃないと思うよ。あなたが精一杯やって、それを認めてくれる人や、共感してくれる人や、うれしいと思ってくれる人がいたらそれでいいんじゃない?」

途中から彼女は泣き出してしまった。

涙はなかなか止まらなかった。

「どうした?」

と聞いたら

「世の中のどんな仕事も人の役に立ってるって…」

と言って声を詰まらせた。

なぜ涙を流したのかは結局わからなかった。

でも、彼女の涙でわたしの心が洗われたような気がした。

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バレンタインデー

今日はバレンタインデー。

朝HRに向かうときに、ちょうど登校してきた男の子たちと廊下で一緒になった。

中の一人が黙って手を差し出してくるので「何?」と聞くと「チョコレート」。

「どうしてそんなもんやんなきゃなんないんだ」と言ったら、「じゃあ、チョコレートじゃなくていいから成績ちょうだい」ときた。

おお、それは切実な願いだね君。

「そうか、チョコか成績か。んー、それは高くつくよ」

「お返しはジャニーズのライブのチケットでどう?」

こないだ大野くんのライブに行ったことを話したばかりだった…

「ジャニーズよりWaTがいい」 と返事したら笑っていた。

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机を片づけなさい

金曜日の夢。

出勤したら3学期の初めの日だった。

自分の机に着こうとしたら、教頭から「あかりんごさん、机を片づけなさい」と言われた。

「どういうことですか?」と聞いたら、「今日からあなたは保健部です。だから机を保健室に移してください」とのこと。

「え、でも担任は?」

「いいんです、とにかく今日から保健部ですから。」

なんでこんな時期にかわらなきゃなんないんだろう、新学年からならまだしも、こんな時期に。

なんかまずいことでもやらかしたっけ。

わたしは担任に向かないってこと?

いやいや、きっと保健部がわたしを必要としているんだ。(夢の中でもプラス思考)

うだうだ考えていたら、わたしの隣の席に座っていた大竹まことが(なぜに大竹まこと??)、

「あかりんごさん、足つぼ押すやつほしいよね」

なんて悠長なことを言っているから、わたしは少しイラッときて、

「そうですね、壁に突起物がぼこぼこついた板はりつけて、それで足の裏をぐりぐりやったらいいんじゃないですか」

といい加減な返事をしたら、

「お、それいいねぇ」

だって。

こいつがわたしのクラスの担任をするのかと確信し、敗北感を感じつつ、荷物を移動させようとするところで目が覚めた。

その日ブルーな気持ちのまま出勤し、自分のクラスでこの話をしたら、『あかりんごさん、机を片づけなさい』のところで笑われた。

そこ、笑うところじゃないんですけど…

たしかにわたしの机、汚いけどね。

その後、生徒が「先生、今日は気楽に授業していいよ」と言葉をかけてくれたので、ブルーな気持ちはどこかにとんでいった。

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やっぱり伊坂幸太郎

今日から授業が始まった。

ということは、授業の最後の本紹介も再開というわけで。

やっぱり一年の幕開けは伊坂幸太郎だろうと思い『砂漠』を持っていった。

2年生のあるクラスで教壇に立つと、生徒がすぐに目をつけて「先生、本当に伊坂幸太郎好きやなぁ」と言われてしまった。

よくわかっている。

授業も残り3分というところで本紹介を始めると、「教科書やっとるときよりも生き生きしとる」と笑われた。

「そうよ、わたしは国語教師ということを利用してこの3分間は趣味に走っているから」

と言ったら、クラス中の生徒がにやりとした。

「『伊坂幸太郎を語る会』を開こうかなぁ」

と続けると、「そのうち同好会立ち上げてそう…」と苦笑いされた。

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