第四十五回記念吉例顔見世 夜の部
夜の部も引き続き「仮名手本忠臣蔵」です。
五段目 山崎街道鉄砲渡しの場、同二つ玉の場
六段目 与市平衛内勘平腹切の場
七段目 祇園一力茶屋の場
十一段目 高家表門討入りの場、同奥庭泉水の場、同炭部屋本懐の場
五段目は昼の部の最後に登場した早野勘平が主人公となります。
勘平のためにお軽の身売りの話をとりつけ、前金の50両を手に帰途を急いでいたお軽の父与市兵衛を、斧定九郎が殺し50両を奪います。
その定九郎を、狩りをしていた勘平が猪と間違えて撃ち殺してしまいます。
夜更けのことで相手が誰かもわからぬまま、勘平はつい死人の懐から財布を抜き取ってしまう。
そこから悲劇が始まります。
六段目では、50両を用意し仇討ちの仲間入りができると喜んでいた勘平が、昨夜殺してしまった相手が義父であったことを知り(勘違いなのですが)、さらに結局仇討ちの仲間には入れられないとの由良之助の言葉に絶望していく様子が、大変哀れです。
そして、決して金のために義父を殺したのではないということを証明するために、勘平は腹を切ります。
昼の部の判官の切腹と違い、ここには作法もなにもないため、切腹という言葉を使わず「腹切」となっているのだそうです。
七段目は、お軽が売られていった先のお茶屋さんが舞台となります。
敵をあざむくため、遊びほうける由良之助。
茶屋で遊ぶ男の色気と、しかし腹の中では亡君の仇討ちを固く決意している忠臣を演じなければならないということで、難しい役とされているのだそうです。
由良之助が密書を読む場面はとても有名で、いかにも歌舞伎といった、絵になる場面です。
十一段目は討ち入り。
志を遂げた浪士たちのすがすがしい姿で幕となります。
解説にもありますが、忠臣蔵は主従関係のみならず、恋人、親子、兄弟、さまざまな人間関係が描かれていて現在の私たちにも通じているため、古さを感じさせません。
通し狂言で観ると、より鮮明に江戸時代からのメッセージが伝わってくるような気がします。
歌舞伎ってステキです。
早野勘平:片岡仁左衛門、女房お軽:片岡孝太郎、斧定九郎:片岡愛之助、千崎弥五郎:坂東彌十郎、不破数右衛門:市川左團次、寺岡平右衛門:中村橋之助、遊女お軽:中村福助、大星由良之助:市川團十郎
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